盆踊りの未来へ
ごあいさつ
皆様、はじめまして!
この度、盆踊りの様々な魅力を、独自の視点からお届けする
盆踊りコラムをスタートいたしました。
お届け人は、日本盆踊り協会広報であり、ダンサーなどエンターテイナーでもある
盆踊り研究家、高尾可奈子です。
盆踊りが大好きな方にも、まだ盆踊りに出会っていない方々にも、
「面白い!新しい!楽しい!踊りたい!」
そう感じていただけるような記事を、書いていけたらと思っております。
実は、盆踊りはおよそ1,000年の歴史があるのですが、、
史実不明な部分や諸説ありという部分も多いのです。
盆踊りに関する資料はとても少なく、100年前に踊っていた人々の動画は無く、見ることもできませんから、分からないことの方が多いのです。
しかし、だからこそ盆踊りは多様な可能性を持っているように感じます!
色々な考え方を皆様と分かち合いながら、盆踊りのこれからの可能性の方に焦点をあてて、盆踊りの世界を広げていきたいのです。
コラムの3つの目指すところ
ここでは、以下の視点から盆踊りの魅力を考えていきます!
①若手世代としての視点
②盆踊り初心者の視点
③他の文化芸術、舞踊やダンスから見た視点
①若手世代としての視点
おそらく、盆踊りの一般的なイメージは、地域のお祭りで踊っている揃い浴衣を着たご婦人方というイメージではないでしょうか?シニア世代が元気よく雰囲気よく踊る、そんな踊りとして盆踊りを想像している人が、とても多い印象です。
私は、夏になると毎日様々な都内の盆踊り会場にお邪魔しまして、踊りの輪に参加させてもらう
いわゆる盆オドラーなのです!
都内という制限はあるのですが、、実際に沢山の会場に出会ってきて、やはり、、
年齢層が高く、女性の比率が高い。20代30代の若い世代の踊り手が非常に少ないため、ただ会場で踊っているだけだも目につく、、
(捉え方によっては、高齢になっても踊ることができる、生涯続けられるという、盆踊りの強みでもありますね!)
そのためか、若い世代にとっては、自分たちが参加するものという考え自体がまだないかもしれませんし、そのきっかけにも出会うこともあまりないのかもしれません。
しかし!盆踊りを踊ってみれば、その面白さにきっと気づく方も多いはずです!
周りよりも先に盆踊りを始めた、若い世代の代表として
若い人々に興味を持ってもらう、そして盆踊りを長くともに楽しんでもらうためのきっかけを見つけていきたいと思っています!
②盆踊り初心者の視点
近年メディアなどでの注目度が高まり、SNSなどにより情報の広まりも多く広く早くなったためか、盆踊りを始める人もじわじわと増えているようです!
それに合わせて、家族向け、社内向けあるいは海外に向けたイベントなどでも、新たに盆踊りが取り入れられる機会が増えています。
私は、昨年2023年夏に、盆踊りに出会い一気にドハマりしました!
福岡出身なので、小学生時代に学校の運動会で毎年1000人で炭坑節を踊ったり、本格的なエイサーを踊ったり、お祭りで盆踊りを踊る経験はありましたが、大人になってからはその存在をすっかり忘れていました。
ご近所の神社で行われた二日間のお祭り、メインは櫓を囲んだ盆踊り。
一日目にその雰囲気に感動し、二日目に勇気を出して踊ってみたのが、はじまりでした。
それから、書籍を読み漁り研究を始めて、noteで個人的に記事を書いてきました。
盆踊り歴はまだまだですから、先輩方から沢山吸収したい。
それと同時に、初心者だから分かることもあるのではと考えています。
最初は踊りたくてもなかなか踊りの輪に入るのには勇気がいるし、盆踊りに興味があってもどうやってどこに行ったら踊れるのか分からない、何を着て何をもっていけばよいの?、なかなか踊りの振り付けについていくのが難しくて困っている、、
などなど、はじめは分からないことだらけの盆踊りの世界。
(だからこそ、どんどん新しいことを知ることができる素晴らしさもありますね。)
同じ目線から、その疑問に糸口を見つけていきます!
③他の文化芸術、舞踊やダンスから見た視点
ユネスコ無形文化遺産登録されている「風流踊」。
盆踊りは風流踊のひとつなのですが、日本三大盆踊りの阿波踊り(徳島県)・郡上踊り(岐阜県)・西馬音内盆踊り(秋田県)をはじめ、地方独自の踊りなど、その数は500種類以上あります。
盆踊りだけでも多種多様ですが、さらに踊り・ダンスという視点から見てみると、現代の日本では沢山の種類の踊りが踊られています。それは、テレビで見かけるポップなダンスであったり、小中学校の教育課程で踊られる創作ダンスであったり、歌舞伎など他の日本の伝統芸であったり、、
海外や世界に目を向けてみると、もっともっと多様な踊りを発見することができます!
実は、盆踊りとは全く違った動作・真逆の身体のアプローチ・動かし方なのに、それが美しいとされているダンスを見つけることがあるのです。
ここに、盆踊りを深くひも解くポイントがあるのでは、と考えます。
幼いころからジャズダンスを踊り、バレエやタップダンスを訓練し、現在はオペラを勉強し歌っているダンサー、エンターテイナーとして、多くの舞台に立って身体感覚を磨いてきた目線から、
盆踊りの独自性や可能性を発見していこうと思います!
盆踊りの枠を拡大する
盆踊りの魅力。
仏教や日本古来の祖霊信仰が合わさり、徐々にその形・スタイルを変えながら、民衆の楽しみとしても日本全国に広まり、今では夏の代名詞に。さらには、世界中に住む日系人によって伝えられ、世界30カ国以上で踊られている盆踊り。
盆踊りは、国境を越えて、言葉の違い、ジェンダーの違いを超えて、
信じる宗教や政治や、価値観が違っていても、
普遍的な踊りを見て踊ることで、誰でも受け入れられる場所であり、
人と人、地域のコミュニケーションとなり、
日常から離れたエンターテインメント、生きがいになる。
そんな盆踊りですが、注目される一方で、地域で受け継がれながら続いてきた盆踊りやお祭りは、担い手の高齢化や予算不足に伴い、中止されることも少なくないのが現実です。
しかし、世界の人々からみると盆踊りはわくわくする日本文化のようで、インバウンド需要が急拡大する社会の変化の中で、盆踊りにとっては追い風です!
長い時間をかけて磨き上げられてきた日本文化の盆踊りの輪を絶やさない、そしてさらに素晴らしい踊りとしていくために、何ができるのか、、
それは地域独自の盆踊りを大切に保存しながらも、今の世の中にある新しい文化や他の文化と組み合わせながら、新しい価値観をプラスしていくことだと思います!
かつて、盆踊りは念仏踊りで僧侶が念仏を唱えていたところから、次第に音頭取り・唄い手が専門職業化されたという説もありますし、儀式的なものから娯楽に変わった流れもあります。
その当時を生きた人にとっては、その変化する盆踊りは、最先端の踊り。
伝統を残し伝え、社会に還元するためには、変えずに守る意識と同時に進化させて社会と適応させる視点も必要なのかもしれませんね。
次は、盆踊り会場で!
気がつけば、たくさん熱い思いや、コラムの目標について書いておりましたが、、
是非皆さんと、盆踊り会場でお会いしたい!!!
そう思っています!
まずは、盆踊り唄に合わせて踊っていただいて、非日常な感覚を体験していただいて、
何かを感じていただきたいです。
まだまだ分からないことだらけの盆踊りの世界。
はじめは、ドキドキしますが、一人でも二人でもみんなでも、
踊りの輪を見つけたらそっと、飛び込んでみてはいかがでしょうか?
私も、今年の夏、行ける限り多くの盆踊りに出会いにいこうと思います。
もしそこでお会いすることがあれば、、
「あなたと盆踊り」
あなたから見える、盆踊りの世界を教えていただけたら、嬉しいです!
それでは、今回はここまで。
これからのコラムをどうぞ、お楽しみに。
盆踊り大好き、高尾可奈子でした!