AI時代の盆踊り!【AIと共存できるのか?】
皆さま、こんにちは!夏が近づいてきて、ワクワクが止まらない、高尾可奈子です。
今回のコラムでは、少し未来のお話をしていきたいと思います。
チャット形式や画像生成、システム利用など、、
現代の私たちの生活に少しずつ使われ始めているAI技術。
さらに先の未来ではきっと、AIが私たちの社会の中心・なくてはならない存在となるでしょう。
そして、その未来の世界では、AIと盆踊りは共存できるのか?
ふと、こんな考えが思い浮かんだので、是非一緒に想像していただけると嬉しいです!
では、早速。
盆踊りは、AIと共生できる!
私の考えでは、、
色んな業種や人間の活動がAIに取って代わられるのには、段階があると思っています。
盆踊りという人間の踊りの活動は、
比較的最後まで身体を離れず残り、AIと共存することも可能性として高いと思います。
というのも、盆踊りには他の活動とは一味違った特徴的な長所があるからです。
その中身を少し探っていきましょう!
【盆踊りの強み①】身体性
まず一番に、AIは肉体を持たない!
人工知能は無機物で、有機体を持たないため、
AI自体が、身体を使った人間の動きを再現することはできません。
実際に、ビジネスの複雑なシステムを担うことは得意なのですが、
人と会って握手したり、微笑みかけたりすること、、
すなわち、人の心理面に触れる動きの再現は、今のところ不可能です。
身体は借りる必要があるのです。
人間の肉体でなくても、現実世界で物をやり取りするためには、機械という物質が必要になります。
人工知能は、現段階ではそれ自体だけで自由に踊ることは難しいため、
身体を動かして楽しむ盆踊りはどんなにシンプルな振付であっても、取って代わられることはなく、
AIに楽しみが奪われる確率は、まだまだ低いように思います。
根源的な人間の営みは、素朴だからこその強みがあるように思われます!
【盆踊りの強み②】不可逆性と感情
盆踊りは、会場に実際に行って、その風情溢れる雰囲気に身を任せて踊るのが醍醐味です。
生の舞台のようなものです。
その場で何が起こるか分からないからこそ、面白い。
踊る人同士の偶然の出会い、感情の心躍る高まり、踊っている最中のハプニング、、
祭りの最後まで、あらかじめ流れが予測できるものだったら、、
大衆は飽きてしまって、きっと1000年も続かず途絶えていたことでしょう。
私は日頃からオペラやミュージカル、コンサートなどの舞台に出演しておりまして、
日頃から舞台に立たせていただいております。
そこで、よく言われること、なおかつ自分の身体を通して実感していることがあります。
それは、、
舞台は瞬間、瞬間の芸術。巻き戻せない生ものだからこそ美しい。
という言葉。
時間と人間の身体について考えてみると、ある瞬間の人の動きは、次の瞬間にはもう
その空間にはありません。過去の像として、映像か脳内に記憶・記録されるまでです。
身体は常に微細に変化していますし、感情を持った人間は常に環境から
色々な感じ・考えを生み出しながら、行動しています。
そのため、過去の状況をそっくりそのまま同じように再現することは不可能です。
一人よりも大勢の人が集まる場では、それは尚更難しいでしょう。
その場での出会いを大切に、、一期一会という価値観に通ずるものがありますね!
盆踊りも同様に、ひとつの場で様々な偶然が重なり、互いに影響し合いながら、
絶えず場はぐるぐると動き続ける。決して、時間を巻き戻すことはできない、、
AIは膨大なデータを記録し、分析することは得意ですが、
感情に訴えかけるように微細な変化を読み取ることは、なかなか難しい技です。
時間に対する捉え方も、物質的な身体を持たないからこそ、
もしかすると人間とは全く違うのかもれません!人間にとって未知の部分ですね!
盆踊りは、やり直しの効かないリアルな空間。
人と人、人ともの、人と空間が交錯しながら感情的エネルギーが生まれる独特な場です。
だからこそ、その面白さや儚さに人々は魅了されるのではないでしょうか。
【盆踊りの強み③】ヒューマンエラーの頻発!
盆踊りの振り付けは、なぜ他のダンスに比べてシンプルに見えるのでしょうか?
それは、年齢や性別の異なる大衆が広く踊りやすいように、発展していったから、、
そんな長い歴史があるからだと考えています。
そして、盆踊りほどいきなり踊って良しとされるダンスは他にないのでは?と思います。
もちろん、盆踊りの保存会や盆踊り大会でお手本を見せる役割の踊り手、盆踊りを極めたい人は、
練習を重ねていますし、彼らは盆踊り文化を伝える担い手として貴重・なくてはならない存在です。
ただ、基本的には熱狂的にその場の流れに任せて踊るのが盆踊り!
現在は、盆踊りは娯楽化して、その目的はほとんど見失われていますが、
元々は先祖の供養と信仰を広めることが大きな目的でした。
時代とともに目的も変化していき、念仏に合わせて踊ることは手段と変わり、
念仏の代わりに民謡や盆踊り唄、今ではPOPSの曲で踊ることさえ定番にもなっていますね!
地域内での交流や、イベントとして盆踊りを楽しむことも人気のようです。
踊る目的も、時代によってバラバラなのです。
様々な人が集まり踊るので、中には初めて踊る人もいます。
シンプルな踊りやすい振りであっても、やはり見様見真似で踊り始めることになりますから、
当然動きを間違えることも沢山あるかと思います。
この、ミスすることが前提の盆踊りのしくみにこそ、盆踊りのかけがえのない価値があります!
群衆の動きが微妙に揃わないからこそわくわくする。
様々な身体感覚を持った人が違ったニュアンスで踊る。振り付けを間違えても味となる。
間違えても、すぐに進みつづける盆踊りに足並みを揃えていける。
そこに、揺らぎの空間が生まれます。
大衆文化の個性は、まさにここにあります。
プロの一挙手一投足完璧に揃ったダンスも素晴らしいですが、誰でも参加できる空間でエネルギー空間を生み出す一部となる楽しさは病みつきになります!
このヒューマンエラーによる偶然の結果は、計算を得意とするAIには恐らく生み出せないものでしょう。
初めから完璧はつまらないですよね。
人間の不完全さがひとりひとり唯一無二の面白さで、文化を作りだしますから、またAIの適性は別のところにあるように思われます!
AI活用で、盆踊りは進化する!
ここまで、AIの得意な領域とは別の場所に、盆踊りがあるのではないか?とお伝えしてきました。
一方で、AIの強みと盆踊りの強みを掛け合わせることで、これまでに無かった方法で盆踊り大会が作れるのでは、、!という、
未知の可能性もあるように思います!
ここからは、具体的にどういう使い方をすれば、AIによる盆踊りが実現できるのか、、
そんな未来の話をしていきます!!
【AI✖️盆踊り①】企画作業をお任せ?
年に一回、夏の盆踊り大会。
たった1日数時間の催しでも、実は一年かけて膨大な人手や時間をかけて実施されているんです!
それくらい、ゼロから盆踊りを作り上げるのは大変なようです。
私たち盆踊り好きは気軽に色んな会場に行っていますが、その完成までの苦労を考えると、頭が下がります。
そんな大変な苦労を要している、盆踊り大会の企画ですが、AIの分析システムを利用すれば、人手も時間も大幅に節約できるのではないでしょうか?!
例えば、自治体で盆踊りを開催する場合、
担当者が数名は必要です。しかし、人手不足で祭りにまで手が回らない場合も。コロナ禍で数年人の集まりはほぼゼロでしたし、経験のある人員がいないという可能性も少なくありません。
そんなときに、人工知能AIが役立つかもしれません!
盆踊り大会実施のためには、、
まず盆踊り大会に使える予算をどこからどうやって集めるのか、そしてその限られた予算からどこにどれくらいお金を使うのか計画する必要があります。
そこで、過去の予算収支のデータをAIに学習と分析してもらい、素早く今年の盆踊り大会の収支案を提案してくれるかもしれません!
その提案をひとつの案として、人間が人や組織同士の関係という感覚的なところを考えながら微調整すれば、効率が上がるかも、、!
何十年も毎年協賛をしてくれていた企業は今年も協力してくれそうとか、去年から急成長した地元の企業情報から候補を出してくれたり、予算の中でもAIが肩代わりできる仕事で発生する費用は削ることが出来たり。
予算が足りずに、盆踊りが中止になる問題の解決策になる可能性も!
他にもAIによって、かなり先の天気予報が可能になり、延期になりにくい日取りを計算して出してくれる未来があれば、延期による運営費の増加も予め防げます。
また、最近では画像生成AIがブームとなりつつあります。
AIに簡単な指示を伝えることで、人間が手動で作ると時間も労力もかかるような複雑な画像を、あっという間に作ってくれるのです。
これを盆踊りに取り入れれば、
例えば盆踊り大会開催を告知するためのチラシデザインが一瞬で作れてしまいます!
他にも、盆踊り会場を彩るポスターデザインや会場案内も簡単に作ってくれるかもしれません。
最後にジャッジするのを、人にしか出来ない仕事と考えれば、多様なAIの取り入れ方を見つけていけそうです!
【AI✖️盆踊り②】踊りをAIが記憶?
盆踊りは、長きに渡って、人から人へ直接伝えられることで、その唄や踊りが生き残ってきました!
無形の文化ですから、踊りを踊れる人がひとりもいなくなってしまうと、その時一つの盆踊りが消えてしまいます、、
近年、踊り手の高齢化が進み、若手の踊り手もなかなか増えていないため、今日もどこかで盆踊りが消えているかもしれない、、
とても残念なことです。
もちろん文化が世代を超えて継続されていくのに、全く変化がないというのも不自然で、盆踊りの世界も常に流行に上手く適応しながら存続してきました。
ただ、かつての大衆の匂いが詰まった伝統的な盆踊りは他に代わりのない貴重な踊りですし、完全に消えるのは大きな損失です。
そこで、、
盆踊りの動作自体を、AIに記憶させる!
これが出来るようになれば、盆踊りは半永久的に残るのではないかと思います。
しかも、その実現可能性は高いと思わせる、最先端の技術を発見したのです!
東京・六本木の21_21DESIGN SIGHTで現在行われている企画展で見つけた、AIのロボット装置です!
この羽のようなアーム状の装置を、人間が背中に背負うことによって、人間の身体を自由自在に動かせるようになります。
例えば、特定の人の身体の動きをシステムに記憶させることによって、そのひとの死後も他の人の身体を借りて動きを完全再現することができる。
すなわち、AIが運動のための神経伝達のシステムとなるのです!
未知な可能性で、ワクワクします。
これを利用すれば、盆踊りの振り付けをした人や盆踊り名人、盆踊りを継承する方々の踊りをそのままデータとして記録することができます。
現在では動画サイトで多くの盆踊り唄の振り付けを見ることができますが、そこから一挙手一投足同じように再現するのには限界があります。
見て真似するに留まりますが、こうした装置システムを使えば、踊り方そのものを再現できる、、高次元の踊りの学習方法としても使えそうです!
さらに、広く多くの踊り手の踊り方を記録・分析することで、盆踊りとはどういった踊りなのかという根本的な疑問も、もしかするとAIが意外な方向から導き出してくれるかもしれません!
いかがでしたでしょうか?
今回は少しテイストを変えて、未来の盆踊りの話をしました。
未来は、私たちの頭脳を人工知能が肩代わりすることが増えて、より楽しみのために時間を使えるようになるでしょう。
そんな未来こそ、さらに盆踊りをはじめ踊りという、人間にとって根源的な喜び・生きがいは価値あるものとなるはずです!
盆踊りを踊るのに、面倒なことはAIにお任せしたり、面白くも限界のある身体をもつ人間に出来ない技はAIに頼ってみることで、盆踊りの可能性は無限に広がりそうですね!
みなさんも、よかったら未来の盆踊りのお話を教えてください!
以上、高尾可奈子でした!