【第四回 踊り方編!】盆踊りの魅力 100選!
こんにちは!
冬でも、一年中盆踊りを踊っています、高尾可奈子です。
今回も、、盆踊りの魅力を100個も見つける企画!
これまで合計30個の魅力をお伝えしてきましたが、
第四回となる今回は、盆踊りの動きやしぐさの興味深いポイントについて、
次々とその魅力を挙げていきますので、ついて来てくださいね!
それでは、早速始めましょう!
【盆踊りの魅力 その31】シルエットが美しい!
盆踊りの踊りって、一体どんな踊りなの??
そう聞かれたらまず、お馴染みの型をもつ優雅で伝統的な大衆ダンス!
端的に、こう表現できるかと思います!
1000年前から、大勢の人々によって次第に形を変えて進化しながら、
盆踊りの基本の型は、今現在踊られる形となりました。
両手で大きな丸をつくる動作、手拍子の動作、掘る動作、
片手でかざす動作、平行に両手を広げる動作、、
腰を自然に落とし、腰から胸の間をひねる、女性の踊りなら足を内股に入れる、、
男性の踊りならグッと腰をさらに落とす、、
特徴的な定番の盆踊り動作ですが、浴衣を着るとあら不思議、、美しいシルエットが現れます!
むしろ、女性が特段美しく見えるように、盆踊りの踊りの形・所作は発達していったのでしょう。
簡単に踊れて、そこからどこまででも、踊りを研究し磨いていけるのが、盆踊りなのです!
【盆踊りの魅力 その32】非日常な歩み方!
前の魅力に少しだけ登場した動作の中で、
ここからは、下半身・足の使い方に
注目していきましょう!
盆踊りの目的について、一般的には、
お盆に帰ってくる先祖の霊をもてなし、
鎮めるために、足を地面に強く踏みしめる
踊りとされています。
祖霊にずっとこの世に居てもらっては、
何か良くないことが起こるという俗信が、
少し前までは受け入れられていました。
そのため、集団で踊るエネルギーを、足から大地に伝えて祖霊を抑え込む。
そんな意味合いを知って、盆踊りを踊ると新たな発見があるはずです!
盆踊りの踊り方は、止まったままではなく歩み続けるのが大きな特徴ですし、
歩き方も現代の私たちのように「軽く遠くへ」進めるのではなく、
一歩一歩「低く重く強く」踏みしめています。
また、女性的な踊り方の場合、理想は内股歩きとされています!
ひざとひざを合わせて、細やかに歩みを進める動作は、
浴衣の着崩れを防ぎ、直線的な身体から曲線的なXラインを作り出すなど、
やはり考えられてのことのようです。
なかなか初めは、足元まで意識が行きにくいですが、、
足元にこそ、踊りの原点があるのかもしれませんね!
【盆踊りの魅力 その33】グーンと反った、舞の手
こちらは、日本三大盆踊りのひとつ、
秋田県雄勝郡羽後町に伝わる
西馬音内盆踊りの写真です。
注目いただきたいのは、手の形!
揃えた指先に、親指は内側へ入れ、
最後に甲から指先まで反らしています。
この特徴的な手の形は、どの盆踊りでも
見られる共通の型でして、
その描き出す曲線は、優美なのです!
日本舞踊の踊り方が取り入れられた民謡・盆踊り唄は非常に多いのですが、
日本舞踊の踊りの型の中で、実は手の形だけでも何通りも名前がついているんです!
うけ、ふせ、かざし、舞の手など、、
手の平の向きや手先の形は、一見すると違いが判らなくても、
細かく区別され、意味に合わせて使い分けられているようです。
それくらい日本の伝統芸能も民俗芸能も、手の所作に美を見出していたのでしょう。
【盆踊りの魅力 その34】その地域だけのオリジナル振付
盆踊りと一口に言っても、
様々な種類の曲があり、それぞれに振付が
つけられ踊られているということは、
前回のコラムでもお話ししましたね!
その振付をさらに細かく分析していくと、、
同じ曲、同じ振付であっても、会場によって細かい動きが違っている?ことがあるのです!
例えば、今や新たな盆踊りの定番曲、老若男女から愛される、
荻野目洋子さんのヒット曲、ダンシングヒーロー。
元々は、名古屋で盆踊り曲として振付されたものが踊られて、
そこから全国へ広まり、東京都内でも至るところで踊られています。
そのダンシングヒーロー。基本的な振り付けは、
サイドで手を叩く、4歩ずつ進む、窓拭きステップ、、
このようなシンプルな動作で構成されていますが、
地域や盆踊り会場ごとに振り付けの組み合わせや細かな動きが全然違っているんです!
ターンがあったり無かったり、一つの動作が丸々抜けていたり、
一つの動きのカウントが倍速だったり、一つの動作の回数が違ったり、、
どんなに盆踊りを極めた方であっても、なかなか掴めない盆踊り曲なのです。
さらに、その違いは名古屋と東京での違いというよりは、極端な例ではありますが、
○○区△△町の盆踊りと、同じく○○区の□□町の盆踊りでも違っているくらい、
地域ごとに細かく違いがあり、カオスな状態なのです。
では、なぜそんなに踊りに違いが生まれているのかというと、
現代の情報社会においても、盆踊りの伝承は口承が基本となっているからです!
盆踊りは動画で見て真似ることも可能ですが、繊細な振り付けまでは見えてこないことも。
間で踊る、日本的な感覚の踊りですから、空間を共有してこそ踊れるという特徴もありますね。
ダンシングヒーローは動画サイトでの再生回数も特段多いようで、
見よう見まねで色んな団体や地域の盆踊りに取り入れられていく中で、
自然と、強く意図せずに、振付が微妙に変化して定着したのかもしれません。
ある意味新しい時代の流れが生み出した、盆踊りの可能性かと思います!
【盆踊りの魅力 その35】手ぬぐいさばいてダンス!
盆踊りをライフワークにするまで
私も全く知らなかったことなのですが、、
盆踊りでは、踊りの小道具として
手ぬぐいを使う曲があるんです!
道具を持って踊るのは意外ですよね!
手ぬぐいを使って踊る盆踊りの曲数は多くはありませんので、出会えるのはレアです。
その振り付けは個性的で、盆踊り中級者向けかもしれませんが、踊れるとカッコいいですよ!
細長いかたち、柔らかい布の手ぬぐい。
両端を持ってくるくるとねじったり、肩にかけたり、片手でもってブンブン回したり、、
現代でいうフェスのタオルのような、使われ方をしているのは面白いです。
手ぬぐいを普段から持ち歩く人は少ないかと思いますが、ご安心を。
手ぬぐい踊りがある盆踊り会場では、手ぬぐい配布を行っていることが多いようです。
リーズナブルなお値段でグッズ販売されており、
その売り上げは盆踊り大会の運営費にあてられるため、
記念品をいただいて、さらに盆踊り大会の継続や地域活動の力にもなれるシステムは、
みんなにとってプラスになる良いものですね!
【盆踊りの魅力 その36】袖を優雅に使いこなす!
盆踊りの振り付けの中には、
浴衣の長い袖を活かした動作もあります!
袖を反対の手で軽く掴んだり、
さばいたり、両手をすっぽりと袖の中に
入れてゆらゆらと袖を揺らしたり、、
その細やかな動きは独特の趣の良さがあり、上品でかつ色っぽさも感じさせます。
和装が日常着だった時代には、今以上に手作業で労働や家事をする必要がありますから、
ふとした時に袖を押さえるために手を添えていたことでしょうし、
それが、日本の伝統的芸能で美しい所作として磨き上げられたのかもしれませんね。
普段和装をしていないと、長い袖の扱い方にはじめは戸惑うかもしれませんが、
慣れた手つきで踊れるようになると、特にカッコ良いポイントでしょう!
【盆踊りの魅力 その37】首かしげの色気!
盆踊り名人たちを観察していると、、
どうやら首の使い方が巧みなのです!
囃子の間に合わせるように、
左右に傾げたり、立体的に顔の向きが
滑らかに動いていたりします。
お馴染みの盆踊りの振り付けの中には、手の方向を仰ぎ見る姿勢が多くみられます。
その際の、視線の使い方、頭部の動かし方、すなわち首の動かし方・導線に、
盆踊りの美学を見ることができます!
浴衣は、全身を隠す衣服ですが、手先と足先以外で唯一見せるのが美しいとされている部分が
首の後ろ、うなじなのです。後ろ襟がUネックのように丸く下がっていると、
首が長く細く見えるのです。
踊るときには、背中が丸まることはほぼ無く、身体の真っすぐな軸から伸びる首も
長くスッと保ちながら動きます。
自ずと首のシルエットが強調されて、そこに品ある色気が生まれます。
ちなみに、首を自在に動かすには、身体の無理な力が抜けている必要があるのです!
私がかつてクラシックバレエの基礎を毎日訓練していた時のお話ですが、
レッスン中に先生の指導の下、ある実験をしました。
両肩を顔方向にグッと持ち上げた状態で首を左右に振ろうとすると動かしにくいが、、
両肩を足方向にグッと下げた脱力状態で首を振ると簡単に動かせる!という実験です。
つまり、全身のぶれない軸を持ちながら、全身の力が抜けてはじめて、
柔らかく粋な首の動きが可能になるのです。
余裕ある踊りの雰囲気は、解剖学的にも理にかなっており、美しいのですね!
【盆踊りの魅力 その38】体幹が鍛えられる
先ほど少し触れましたが、盆踊りでは
背中を真っすぐに、身体の軸を作ります。
回転しても、お辞儀の姿勢になっても、
ふらつかない強い身体が理想的です。
すなわち体幹力が、試されるのです!
そして、踊りのための体幹は、踊りによってつけることができます!!
良く知られているプランクなどの体幹トレーニングでも、もちろん体幹は鍛えられますが、
踊りながら姿勢に意識を向けて、身体の部位ごとのポジションの微調整を重ねることで、
ぶれないしなやかな身体を手に入れることができます。
盆踊りは他のジャンルの踊りと比べて、動作が比較的ゆったりと確実です。
片足をゆっくり上げて、ゆっくりおろして、、
片足で全身を支える時間が自ずから長いため、倒れずに上手く踊ろうとすれば、
バランス力が自然に身についていきます。
トレーニングはきついしな、、という方でも、音楽に合わせて楽しく動くことで、
体幹力を高められたらうれしいですね!
【盆踊りの魅力 その39】新陳代謝アップ!
盆踊りは夏の蒸し暑い日の夜に、
2~4時間、ひたすら踊ります!
途中に数回の休憩時間はありますが、
それ以外はずっと踊り続けられます。
案外、あっという間なんです!
老若男女問わず、丁度良い運動負荷ですので、いつまでも踊り続ける方も多い!
空が暗くなりだした夕方以降でも、やはり夏なので踊っていると、汗がどんどん出てきます。
浴衣で行くと、中に挟んでいたフェイスタオルが絞れるくらいの汗の量です!
連日いろいろな盆踊り会場を回っていると、毎日汗だく(笑)
新陳代謝が上がり、どんどん身体が引き締まっていきます。
夏は、クーラー病で汗がかえって出なくなることもありますから、
適度に外の風を浴びて、汗をかくのは健康にとっても大切です。
ただし、熱中症には注意して、水分補給をこまめに忘れずに、、ですね!
【盆踊りの魅力 その40】繰り返しの美学
動きの回、最後の魅力は、、
盆踊りの繰り返しについてです。
これは、盆踊りの本質的な部分です。
繰り返すところにこそ、盆踊りを
踊る意味や目的が見えてきます。
1000年前、「南無阿弥陀仏」と繰り返し唱えて踊る、念仏踊から
盆踊りは大衆へと広がっていきました。
繰り返し唱えることで、当時は極楽浄土を願ったり、祖霊を迎え入れたりしました。
現在では、その目的はほとんど薄れて形骸化、エンタメ性が高まりました。
儀式が習慣化していくと、次第に演じ手と受け手に分かれ、熟練し
しかし、繰り返し繰り返し同じ振付を踊るというスタイルは、変わらずあり続けています!
踊っていると、何か集団の大きなエネルギーに飲み込まれて、
一種のトランス状態に入る、、意識と無意識、自他の境界線が薄れていく、、
その精神性は、現在でも感じることができるかもしれません。
盆踊りの振付は、短くシンプルで無駄がなく上品で美しい。
それを繰り返し踊ると、同じ動作なのに合わせる曲の音色はいつも違っていきます。
ここに、盆踊りしか持っていない、固有の美しさがあります。
四季折々、変化した姿を見せる日本の風土のように、微細に揺れ動く盆踊り。
皆さんにも一度、自身の身体を通して感じていただきたいです!
いかがでしたでしょうか?
今回は、動きや動作といった点に注目をして、
盆踊りの魅力について考えていきました。
さあ、これで累計40個の盆踊りの魅力が見つかりましたね!!
次回は、何に注目していきましょうか、、
どうぞお楽しみに、、!
高尾可奈子